男性ブランコてんどん記の考察のようなもの

曇りの世界と晴れの世界、塔の外と塔の内側の世界。この二つの世界が最後に遂に交わっていくまでの壮大な物語、それが「てんどん記」なのかもしれない。

 

様々な考察がある中、地理的な面に注目しててんどん記を考察してみました。

 

・曇りの世界の始まり「水族記」は水族館のシャチのトラミ恋し、シャチとなった青年の物語。トラミと青年は水族館から自由になり広い広い海へと旅だったはずだった。しかし、数日後には水族館に戻ってきた。この点に少し引っかかっていたのだが、エンディングのアニメーションで曇りの世界(塔の外側)は円の形をした陸の周りをぐるっとドーナツの様に海が囲っている。この世界は球体ではなく円のため、海には果てがあり、果ての先は滝の様になっている事がわかる。トラミと青年が水族館に戻ってきた事はもしかしたらこの世界の形をほのめかしていたのかもしれないと思った。

 

・「水族記」の対となる話「家族記」は塔の内側のお話。ここでは平井さん演じる学者先生が「はしっこ」について言及している。「世界の端の外側には世界が広がっている」とも述べており、見ている側に「外と内の世界」があることをほのめかしている。

 

・塔の外側の世界の3つの話は海の近くの「水族記」から始まり、「サラリーマン」が続き、最後に「曇った関心」で遂に陸の中心にある塔にたどり着く。このように地理的に外から徐々に徐々に内側に舞台が移り、もう一つの世界の入り口へと近づいていき、2つの世界がつながっていく感じに平井さんのものすごい才能を感じた。